つるかめつるかめ。

仕事を終えて、本屋に寄り、何も買わずに帰ろうとした時にカウンターの上に見慣れない表紙のPR誌があるのを見つける。
それを入手するために気になっていたこの1冊を買うことにする。

支払いを済ませてカウンターのPR誌を手に取ると角川書店の『本の旅人』11月号であった。どうやら創刊10周年を記念したリニューアル第1号ということらしい。なんだ新しい雑誌ではないのか。それでも気を取り直してバス待ちに読む。10周年記念特集“オールタイム・ベスト3”で12人の作家・評論家が本を3冊挙げている。気になったのが恩田陸さん。「チョコレート工場の秘密」、「細雪」と並んで坂口安吾「青鬼の褌を洗う女」を選んでるではないか。これは僕の卒論対象作品だ。不出来な卒論は読み返したくないが、安吾の全盛期に書かれたこの中編はもう一度読み返してみたいと思う。
帰宅して、夕食。先日九州在住の知人に貰った福太郎の「博多とんこつ生らーめん」を作ってみる。簡単にできるのだが、とんこつスープも細めんもなかなかいける。よかよか。
それからブログ散歩。「日用帳」(id:foujita)の“武藤康史さんの「文学鶴亀」を全部読みたい”を読んで、思わず部屋にある『ノーサイド』のバックナンバーを探す。foujitaさんが知りたがっている「文学鶴亀」に取り上げられた作家の一部(僕の持っている分だけ)を自分の備忘録も兼ねて以下に掲載しておきます。

  • 第2回(1994年10月号/特集:戦後が似合う映画女優野上弥生子
  • 第15回(1995年11月号/特集:ビートルズ同時代)森鴎外
  • 第17回(1996年1月号/特集:「鬼平の世界」探訪)谷崎潤一郎
  • 第18回(1996年2月号/特集:懐かしのラジオデイズ)吉田健一
  • 第19回(1996年3月号/特集:ベストセラー再読)田山花袋
  • 第20回(1996年4月号/特集:おお、女優)山田孝雄
  • 第21回(1996年5月号/特集:美食家列伝)久米正雄
  • 第22回(1996年6月号/特集:歌舞伎の新時代)徳富蘇峰

上記の他に1994年12月号/特集:黄金の読書と1995年5月号/特集:読書名人伝を持っているのだが、なぜだか見当たらない。この2冊は永久保存版の楽しい特集号なので別の場所に置いたはずなのだがその場所が分からなくなってしまった。こんど本格的な発掘調査を行い、きっと見つけだし、座右の置いて毎日のように眺めてやろうと思う。
それにしても、やはり『ノーサイド』はいい雑誌だったな。以前(http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/20050618)にも書いたが、休刊したのが本当におしい。
草森紳一氏の連載(「本の読み方)や高島俊男氏の連載(「明治名物男」)は本になっているのだろうか。もし、そのままになっているとしたら、これもまた残念なことだ。