秋の春樹。

突然、秋が来たという感じ。
本日は遅番なので、朝『古本共和国』をぼんやり眺めていたら、みすず書房の広告のページに“大人の本棚”シリーズ第3期の刊行が予告されているのを見つける。相変わらず、魅力的なラインナップだから、リストを貼付けておきます。
第三期 (2005年9月刊行開始)
本の中の世界 湯川秀樹[著]池内了[解説]
ガンビア滞在記 庄野潤三[著]坂西志保[解説]
明け方のホルンー西部戦線と英国詩人 草光俊雄[著]
愛についてのデッサンー佐古啓介の旅 野呂邦暢[著]佐藤正午[解説]
新編 さみしいネコ 早川良一郎[著]池内紀[解説]
アラン島 シング[著]栩木伸明[訳]
鼠夫婦一代記 グスタフ・エクスタイン[著]内田清之助[訳]池内紀[解説]
さまざまな愛のかたち 田宮虎彦[著]
個人的には、庄野潤三野呂邦暢、シングの本がうれしい(先程「ちゃりんこ日記」(id:nitobesan)を覗いたら、にとべさんもチェックされていた)。
いつものごとく仕事を終えた帰り道で、家電量販店に寄り、ビデオテープとムービー入出力コードを買う。今晩自宅で夏のイベントで撮ったビデオのダビング編集をするつもりなのだ。その足で本屋にも寄る。

本日地元の書店に入荷し、平積みになっていた。発売初日に村上春樹作品の新刊を買うというのはこの20年のならい性のようなものとなっているため気がつくとレジに並んでいた。5つの作品からなる短篇集。最後の「品川猿」を除いて『新潮』に掲載されたもの。最初の「偶然の旅人」だけ雑誌掲載時に読んだ。後は未読。
帰宅して一気に読む。
いつものごとく読みやすくて、シャレた言い回しと比喩で綴られる物語たち。5作品の中では「ハナレイ・ベイ」が一番しっくりきたように思う。とりあえず、楽しく村上作品の新作を読めたということで充分だという気がする。また批評家の皆さんはいろいろ分析したり、意味付けしたりするのだろうが、これらの作品に現代文学における問題点や世界的な思想などを読み取る必要があるのだろうか(そーゆー問題があるとしてだけど)と思ってしまう。僕としては、『すばる』に掲載された「土の中の彼女の小さな犬」以来、リアルタイムで読んできた村上春樹短篇が20年を経た今もこうして読めるというだけでまあいいやと思うだけだ。もちろん、この気持ちは作品に対する両手離しの賛辞とはまったく別の次元の話なのだが。
「偶然の旅人」の冒頭で作者自身が登場して語る不思議な体験に出てくるPEPPER ADAMS「10 TO 4 AT THE 5 SPOT」(RIVERSIDE)をCDの山から探してかけながら読み、つづいて同じく名前の出てくるジャズピアニスト、トミー・フラナガンの参加しているアルバムはないかと探すとJ.R.MONTEROSE「STRAIGHE AHEAD」(XANADU)があったのでこれも流しながら読み続けた。こんな読み方が村上本には一番合っている気がする。
ブログ散歩をしていると、「本棚の中の骸骨」で以下のDVDの発売予定を知る。まずい、全部買ってしまいそうだ。

収録作品「ニッポン無責任時代」 「ニッポン無責任野郎」 「クレージー作戦 くたばれ!無責任」 + 「クレージーキャッツ・デラックス」(大瀧詠一監修)

  • 貸間あり

 原作・井伏鱒二、監督・川島雄三、出演・フランキー堺桂小金治

来年には 「州崎パラダイス 赤信号」や 「銀座二十四帖」 などのDVD化も予定されているとのこと。楽しみが増えた。
東京奇譚集    クレージーキャッツ 無責任ボックス (初回限定生産) [DVD]   貸間あり [DVD]

ビデオの編集をしようと思ったらビデオデッキが壊れていた。DVDレコーダーに買い替えなければならない時期に来ているということか。もう少し安くなってくれるとうれしいのだが。