降っても晴れても。

朝、枕元の目覚まし時計を見て飛び起きる。2時間の寝坊だ。こんなことのないようにと昨晩サッカー観戦をあきらめて寝たはずなのにこれはいったい(どうやら目覚ましを止めて2度寝した模様)。顔も洗わず、鞄に必要品を詰め込み家を出る。いつもはバスを使うところをタクシーに乗るなどしてなんとか仕事開始前に出張場所へ辿り着いた。
今日は野外での仕事のため雨を心配していたのだが、昼ごろ急に陽が出て晴れる。よかった。
夕方仕事を終えて、帰路につく。朝あわてて出てきたので車中読書用の本を何も持っていない。本屋により文庫本と雑誌を購入。

  • 上原隆「雨の日と月曜日は」(新潮文庫
  • 『男の隠れ家』7月号

上原隆さんの本は読んだことがないのだが、昨日のokatakeの日記で取り上げられていたので興味を持った。「ファイブ・イージー・ピーセス」という前書きと枡野浩一さんの解説をまず読み、その後冒頭の「自動販売機のような私」と目次を見てそそられた「関川夏央・私コラム」などに目を通す。「自動販売機のような私」という文章で、ベッドをともにした女性から「頭が堅くって、解放されてない」と言われ次のように反発する箇所に思わず頬が緩む。
〈高校生の頃に友だちから同じような批判を受けたことがあり、それ以来、なるべく柔軟に考えるように努力をしていたし、既成の倫理にとらわれず欲望に従って行動するように心がけていた。人と話をするときには、正直に赤裸々に話すようにしたし、冗談のひとつぐらいいえるように用意をしていた。〉
この“堅苦しく見えないように努力することの堅苦しさ”による笑いを上原氏はもちろん意識的に演じながら書いている。そしてそういう自分を演じていることにも意識的なんだろうなと思ってしまう。この意識の重層構造を面白がれるかどうかというのが評価の分かれ目のような気がする。僕は結構好きですね、こういうの。明日も出張なので、携帯本として持って行くことに決定。
『男の隠れ家』(それにしてもどうにかならないのかなこの恥ずかしい雑誌名)は、得意の有名人書斎紹介特集。表紙の唐十郎氏の肩に力の入った書斎姿がなんだか微笑ましい。また、“BOOK CAFE&LIBRARY BAR”特集もあり、古本酒場コクテイル、Frying Books、貸本喫茶ちょうちょぼっこ、Calo bookshop and Cafeなどが紹介されている。両方の特集とも特に目新しさはないのだが、書斎や古本カフェの写真を見ているだけで嬉しくなる人間なので暇な時にでもチラチラ眺めるつもりで買っておく。
地元の駅に着いたら、盥をひっくり返したような大雨。屋根付きのバス停なのに傘をさしていないと濡れてしまうほど。猫バスを待つトトロ状態で停留所に佇む。
帰宅後、録画しておいたバーレーン戦を見る。暑い中東でのグッタリとした試合を肴に晩飯を食べる。1−0で勝利という結果を知っているので余裕を持って観戦終了。セルジオ越後の日本語と日本選手のゴール前での踏ん切りの悪さはいつまでたっても進歩しないなあ。