反省。

今日は休日出勤。午後2時には仕事が終わる。
携帯本をバッグに入れ忘れたため駅ビルの本屋に寄って1冊購入。

この本を車中で読みながら、東京駅に向かう。目的はステーションギャラリーで行われている“佐野繁次郎展”を見るためだ。受付でさっそく図録を購入する。これが売り切れていないか気が気でなかった。あってホッとする。
館内は赤煉瓦の壁を利用したギャラリーとなっており、雰囲気があってよい。佐野繁次郎氏の絵とマッチしている気がする。大判の油絵の善し悪しは僕には分からないが、布切れや針金、セロファンまで使ったコラージュが楽しい。氏の装幀本を集めた部屋が圧巻。気持ちがワクワクしてくる。壁にズラッと並んだ『銀座百点』も壮観だ。手元にある100号と150号も展示されているのでなんだか嬉しくなる。岡崎武志さんやyomumelさん、退屈男さんたちが話題にしていた佐野繁次郎装幀の五木寛之「風に吹かれて」の文庫本は集英社文庫だった。この装幀では欲しくなるはずだ。僕も欲しい。同じく源氏鶏太「まだ若い(上下)」(文春文庫)も手に入れたいものだ。これらの文庫本探しに参戦することにする。ブックオフ巡りの楽しみが増えた。
売店佐野繁次郎クリアファイルとポストカード2枚を買い、ギャラリー内のカフェでサンドイッチとコーヒー。「うさぎのミミリー」を読んでいると、庄野さんが東京駅でサンドイッチを買って新幹線で食べるのを楽しみにしているという記述があり、こちらもサンドイッチを食べたくなったのだ。白い食パンに挟まれたものを予想していたのだが、あにはからんやクロワッサンであった。まあ、おいしかったのでよかったのだが。
その後、八重洲口の方へ回り、先日「古本道場」で気になった八重洲古書館へ行く。思っていたよりも奥行きが広く、各種ジャンルの本が置いてある。店の入り口際に、新入荷の棚があり、2冊揃いの本に目が止まる。

一瞬、新刊本も置いてあるのかと疑うが、本を開くと古書価を記したシールが。2冊合わせて4000円近い本が半額に近い値段で売っている。もともと新刊で買おうと思っていた本なので、すぐさま小脇に抱え込む。うれしい。
レジに行くとカバーをかけてくれる。帯がある本なのでこの心遣いもありがたい。
できれば、銀座に出て奥村書店なども寄ってみようかと思っていたのだが、先日来の花粉症の悪化で体調もすぐれないので断念する。実は先ほどの佐野繁次郎展でも、絵を見ながらマスクの中で鼻水が滂沱のごとく流れ出してきてあわててトイレに駆け込んだくらいなのだ。絵を眺めて涙を流すならまだ様にもなるが、水っ洟垂らしていては絵にもならない。早々に家路につく。
帰りの車中も「うさぎのミミリー」。老夫婦とその家族や隣人たちとの交流を淡々と描いた作品なのだが、その執拗ともいいたくなるほどに同じエピソードや情報を繰り返し繰り返し書き込んでいく記述を読んでいくうちに、平々凡々な日常が何か一種非日常的な異様さを帯びてくる気がする。特に五章に引用されている作者の妻が贈ったミシンに対するお礼の2通の長女の手紙まで、ほぼ同じ表現の繰り返しが使われているのを目にすると、淡々とした日常の中にいたはずが、永遠に出られない迷宮の中にさまよい込んだ気にさえなってしまう。ある意味すごい小説だと思う。しみじみほのぼの読んでいる場合ではないですよ。これ。
地元の書店を覗いていたら、こんな雑誌が目についた。

中間小説誌を買う習慣はないのだが、目次を見て思わず買ってしまう。特集は“短編小説を読む醍醐味 今すぐ読みたいベスト16作品”として作家が選ぶベスト短編小説が挙げられている。その作家の中に角田光代北村薫堀江敏幸といった方々の名前が入っている。その他にも、丸谷才一氏のエッセイや出久根達郎さんの古本エッセイなど自分のアンテナに引っかかるものが結構あった。

ここでお詫びと反省。先日yomunelさんにTBをし、翌日のyomunelの日記を読み、パソコンを通して僕の風邪が移ったと書いてあったので、ご自分の体調を崩された理由に僕を使われたのかと勘違いし、トンチンカンなコメントまで入れてしまったのだが、今日読み直してみると、僕のTBからウイルスが移ったらしいとのこと。これは本当に申し訳ないことをしてしまった。パソコンのウイルス対策を充分にとっていなかった上に、パソコンにあまり詳しくないため、メール以外ではウイルスに感染しないと思っていた。考えてみたらTBもメールのようなものだから同じことが起こる可能性は考えていなければならないはずだ。反省する。慌てて、アンチウイルスソフトのアップデートをしてパソコンの点検と処置を行う。yomunelさん、申し訳ありませんでした。また、コメントでもウイルス感染があるのか分からないので、とりあえずこのブログで謝罪いたします。当分、TBやコメントなどを自粛いたします。