今日の音楽

昨日読んだ『考える人』で豊崎由美さんがこのアルバムを挙げ、奇人変人が大好きでこのアルバムもグールドが面白いくらいの速弾きの上に奇声を発しながら演奏しているので爆笑したと書いていたので、そうなのかと思って聴いてみた。たしかに微かにハミングしたり呻きのような声を発したりはしているが、笑うほどのものではない。
これで笑っていてはキース・ジャレットの演奏は聴けない。彼のスタンダーズトリオものは好きで何枚か持っているのだが、美しいスタンダードナンバーの旋律を破るような呻き、唸り、時には叫んでいるかと思うような有様に何度冷や水を浴びせかけられたような思いをしたことか。グールドが自分の演奏から悪い部分を切り取りいい部分をつなぎ合わせてアルバムを拵えたように、キースの唸り声をカットした特別編集盤を出してくれたら同じ演奏でも買ってしまいそうだ。
それにしても自分のクラシックの聴き方は邪道だなとつくづく思う。
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年モノラル録音)     枯葉