春よ来い。

「黌門客」の今日のブログを見ていたら「四月注目の新刊(文庫)」がリストアップされている。
さては、BOOK CLIPが更新されているなと思い、チェックするとその通り。
ほとんど「黌門客」のリストと重なるのだが、気になる本が目白押しなので重複を厭わず以下に文庫別に挙げてみる。

ちくま文庫

【中公文庫】

【文春文庫】

【知恵の森文庫】

創元推理文庫

講談社文芸文庫

新潮文庫

幻冬舎文庫

これを見て思うのは、ちくま文庫の頑張りと知恵の森文庫の躍進であろう。中公文庫の肌色本(以前の背の色をとって昔の中公文庫っぽい本を勝手にこう呼んでいる)の伝統も消えずに続いているのもうれしいし、文芸出版社らしき文春のラインナップも微笑ましい。庄野本の続けざまの文庫化は静かなブームの到来を予感させ、幻冬舎の文庫化の早さにはいささか驚いた。
それにしても春の到来が待ち遠しい。

「ナンダロウアヤシゲな日々」を読むと、日垣隆「売文生活」(ちくま新書)を購入して読んでいるという記述が。それっ、と書店に立ち寄るが、どうしたわけかちくま新書の新刊5冊のうち並べられているのは3冊のみ。「売文生活」はなし。どうしてこのようなことが起こるのだろう。この書店の普段の状況からみて、入荷本がすべて売れてしまったとは考えにくい。また、新書の新刊を並べる平台の様子も売り切れを指し示してはいない。日垣本を売れ筋と考えた取次ぎや大型書店がこのような偏った配本を行ったのだろうか。
結局、今日は買えずじまい。その代わりにこの1冊。

先日の「新・読前読後」の読後感を読んできっと買うだろうと思い、今日毎日新聞の書評(6日のもの)を読んでやっぱり買おうと決めたもの。「いつか王子駅で」の面白さに舌を巻き、「雪沼とその周辺」によって同時代にこのような同世代作家を持ったことに喜びを感じた作家の最新作だ。読む喜びの前に、その新作を買えるという喜びを感じさせてくれる僕にとって数少ない小説家である。
その他にこんなものも買った。

最近TVCMを流している書店で売るDVDのシリーズである。昭和41年4月から放映された渥美清を主演とする1話完結のドラマシリーズで、1巻に2話収録されている。値段は創刊特別価格で790円。第1話は渥美清出世作となった映画「拝啓天皇陛下様」の監督を務めた野村芳太郎が脚本を書いている。共演は左幸子小山明子穂積隆信坊屋三郎イーデス・ハンソン。テレビ版「男はつらいよ」は、特番などで見たことはあるが、この番組は初めて。小林信彦氏の「おかしな男 渥美清」(新潮文庫)でも引っ張り出して、楽しんで見てみることにしよう。