今日の音楽

以前に触れたコンピレーション「LIFE TONE」の1曲目に秋吉敏子の演奏が収めてあったことを思い出して彼女が1956年にボストンで録音したこのアルバムを聴く。ベースがポール・チェンバース、ドラムがエド・ジグペン。スタンダードなピアノトリオであるが、日本人女性ピアニストならではの選曲「蘇州夜曲」(アルバムではSOSHU NO YORUとなっている)が入っている。僅か1分30秒程の演奏で、メロディを奏でるだけのようなものだが、その小品振りがいい。それを受けて最後に「朝日のようにさわやかに」が演奏される。ベースがチェンバースで「朝日の……」とくれば、その翌年に吹き込まれた「SONNY CLARK TRIO」を忘れることはできない。ソニー・クラークを日本人に知らしめた名演と言われるこの曲からソロピアノによる「四月の思い出」に続くあたりが大好きである。何度聴いても飽きない。また、聴いてしまった。
ザ・トシコ・トリオ       ソニー・クラーク・トリオ