編集者の回想録にはずれなし。

昨日届いた白川静漢字暦と暮しの手帖カレンダーのうち、暮しの手帖の方を職場にもって行き、机の脇のロッカーに飾る。年末に買いそびれ、ネットで注文したのだが入荷待ちで今となった。飾った翌日には破いて2月にしなければならないのがなんとも間が抜けている。

仕事帰りに立ち寄った書店の新刊の棚に並ぶようにして収まっていたこの2冊が同時に目に入った。

2冊ともその発売がいろいろなブログで話題となっており、その存在は知っていた。いずれ神保町に行ったときにでも1割引でと考えていたのだが、目にした瞬間に買うことを即決する。
「植草さん」は平野甲賀氏のブックデザインでまず痺れ、矢崎泰久片岡義男山下洋輔タモリ和田誠といった多彩な語り手の存在に魅了され、解説として筆者・津野海太郎坪内祐三3氏による座談会が用意されていることに満足した。まだ、読んでもいないのになんだか酔わされている感じ。わるくない。
「『話の特集』」は昨日創刊40周年記念号をかったばかりでタイムリーな出会いである。昨年から編集者の回想録ものが隆盛を極めており、読んだものだけでも佐藤嘉尚「『面白半分』の作家たち」(集英社新書)、豊田健次「それぞれの芥川賞 直木賞」(文春新書)、宮田毬栄「追憶の作家たち」(文春新書)、祖田浩一「不機嫌な作家たち」(青蛙房)、岡留安則「『噂の真相』25年戦記」(集英社新書)など枚挙に暇がない。これらがみなことごとく面白いことを思うと、「編集者の回想録にはずれなし」と断言したくなる。未読のものでも赤木洋一「平凡パンチ1964」(平凡社新書)など読む前から面白さを確信できる本もある。もちろん、この「『話の特集』と仲間たち」もその例にもれないだろうアウラが伝わってくる。装幀に和田誠横尾忠則の2氏が名を連ねているという贅沢。たまらない。

買いたい本を先送りする喜びなどと先日書いておきながら、このテイタラク。どうしようもありませんね。