茶色のふきのとう。

 あまりに暖かいので冬眠から覚めました。


 本日より再開いたします。冬眠中の日記もアップしております。


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 職場に何やら浮足立つような雰囲気が漂う。それはひと月早まったかのような気温の高さのせいばかりではなく、今日がバレンタインデイだからだろう。


 僕の机の上にもいくつかチョコレートやクッキーが並んだ。その中に手製と思われる小さなボール状のチョコレートクッキーがあり、ちょっと見がふきのとうが茶色くなったように見える。あれは、中学時代の国語の教科書ででも読んだのだったか、なにやら冬眠からさめた熊の行動を描写した文章を読んだ記憶があり、熊が冬眠からさめた空っぽの腹を抱えながら根雪の下から顔を出しているふきのとうを見つけ出し、さもうまそうに食っている場面があった。それ以来、冬眠と聞くとふきのとうを食べる熊の映像が浮かぶようになってしまった。


 とりあえず、寝起きの熊の気分で茶色いふきのとうをひとつ食べる。


 先輩から急な原稿(1000字程度)を頼まれ、なんとか書きあげてメールで印刷所へ送る。


 夕方退勤して本屋と古本屋によってからうどん屋で夕食。携帯本のヘミングウェイ「移動祝祭日」(新潮文庫)を読む。


 帰宅するとポストに「Monthly Takamitsu」141号が届いていた。今回は2008年度収穫回顧号。書籍篇で共感したのは武藤康史「文学鶴亀」(国書刊行会)、岡崎武志山本善行「古本屋めぐりが楽しくなる新・文學入門」(工作舎)、堀井憲一郎「落語の国からのぞいてみれば」(講談社現代新書)、山城新伍「おこりんぼさびしんぼ」(廣済堂文庫)など。岡町さんのあげる福田和也「東京の流儀」(光文社)と池田信「1960年代の東京」(毎日新聞社)に興味がわく。


 浅生ハルミン「猫座の女の生活と意見」(晶文社)を読み始めた。