本気の赤線。

 少し寝不足で月曜を迎える。


 ぼんやりした頭で何とか一日持ちこたえて退勤。


 本屋へ。


 文庫の棚を流していて背表紙の名前にはたと立ち止まる。大学時代の同級生と同姓同名かと思い著者のプロフィールで確認するとなんと本人だった。地方の大学教授になったと風のうわさで聞いていたが、ついに大手出版社の文庫で古典文学の編著を出すまでになったのか。学生時代、長髪でティアドロップ型の眼鏡をかけたバンドマンであった彼がなぁ、としばし感慨にふける。
 昔のよしみで購入。レジでクレストブックスの創刊10周年記念のパンフレットをもらう。


 餃子無料券をくれる中華料理屋で夕食。壁には“期間限定サービス 餃子無料券9月30日まで”と書かれた紙が貼ってある。実はこの店以前からこの期間限定サービスと銘打ちながら、なんどとなくなし崩しに期間を延長し続けて現在に至っているのだが、日付のしたに乱暴に引かれた太い赤線がいつもとは違う本気度を示しているようでちょっと気になる。この無料券があるからこの店を贔屓にしている客が多いことは、今日この店にいる客のほぼ全員が無料の餃子を口にしていることからも容易にうかがえる。果たして、9月いっぱいで本当にサービスを止めることができるのか。そこまで味への自信が育ったのか10月を楽しみにしたい。
 9月30日期限の無料餃子券をまた貰ってから店を出る。



 バス待ちで小林信彦紳士同盟ふたたび」(扶桑社文庫)の本編読了(巻末に「深夜の饗宴」という付録が付いていてそれはまだ読んでいないので)。
思っていたより、あっさりとした終わり方だな。もう少し長く続けるつもりで伏線をはっているような気もしたのだが、勘違いか。エピローグでスタンダードナンバーを歌うリンダ・ロンシュタットの話題が出てきて、ああ、あの時代かと思う。


 帰宅すると「BLUE NOTE CLUB」から会報が届いていた。それを読んでいてモダンジャズの代名詞ともいえるキャノンボール・アダレイ「サムシン・エルス」の代表曲「枯葉」の別テイクが発見され、それが以下のHPで聴けると知り、さっそくアクセス。


 http://www.emimusic.jp/jazz/bnjf/special/20080820.htm



 確かにオリジナルテイクに比べると雑だけど、マイルスのトランペットの繊細さ、アダレイのアルトの伸びやかさは見事なものだ。まだ、秋と呼ぶには暑いけど、部屋は確かに枯葉舞い散る秋の気分だ。