カナダでブックオフ。


 朝3時に一度目が覚め、二度寝して6時半に携帯の目覚ましで起こされる。コーヒーを入れ、昨日買っておいた牛乳、オレンジジュース、サンドイッチで朝食。バンクーバーは水がいいので、入れたコーヒーも嫌な後味がない。
 8時に現地の仕事場へ。取引先のスタッフに紹介される。昼食は取引先のお偉いさんがこちらのスタッフを招待してくれる。港に面した天井の高いシーフードレストラン。同僚が「ディズニーシーにありそうなレストラン」と評していた。サーモンがおいしい。付け合せのピラフにシーフードのシチューをかけて食べたら何ともいえない複雑で深い味になり自分の思いつきに満足する。
 4時過ぎ仕事が終わる。先乗りで来ている同僚からこの地にブックオフがあると聞き、行ってみることに。ダウンタウンのHornby St.におなじみの黄色と赤と青の看板を発見。入口をくぐると「いらっしゃいませ!」といういつもの声。まぎれもない「ブ」である証拠だ。一部洋書も並べてあるが、日本の本が大半を占める。予想以上に店内も広く、本の数も多い。日本の105円棚にあたるのが2ドル棚。日本円にすると200円を超えるくらい。ただ、現在全品20%off期間中なので1.6ドルで買える。その2ドル棚を見ていると、これが結構いいんですよ。

 他にもいくつか気になる文庫があったのだが、帰りのスーツケースの重さを考え自重する。いや、ブックオフバンクーバー店は結構穴場です。
 今夜は上司との食事会はないのでホテルのランドリーで洗濯。その間に昨日の報告書と日記を書き継ぎ、小一時間ばかりベッドで仮眠する。
 寝ぼけ頭と感覚を失いつつある胃袋(こちらに来て食べすぎている)を目覚めさせるために散歩に出る。バンクーバーの西端にあるスタンレー公園まで歩く。8時を過ぎ、陽もやっと西に傾きだした。公園は広く遊歩道だけでも9キロもあるそうなので、入りっぱなをちょこちょこっと歩いてロブソン通りに戻る。ホテル近くにある「えぞ菊」というラーメン屋で夕食。同僚の話だと早稲田にあるあの店の支店らしい。夏季限定の味噌つけ麺と餃子を頼む。留学生らしい日本人の女の子が一人で厨房以外の仕事をこなしている。そのため、なかなか料理が出てこない。「月と菓子パン」を読みながら待つ。窓際のカウンターでは西洋人の赤ん坊がちょこんと上に乗り、後ろの窓ガラスに頭をコンコンと当てて喜んでいる。白い顔の上にふんわりとした白に近い金髪をゆらしている。そのかわいい顔にしばし見とれる。出てきた料理は、外国で食べるラーメン・餃子なのでこんなものだろうな。
 セブンイレブンに寄ってから部屋へ。まだ、使っていなかったソファーに身をもたせかけながら、「月と菓子パン」の続き。iPodビル・エバンスを聴きながら読了。石田千さんもまた素晴らしいオノマトペ使いであるなあと思う。
 その後、報告書と日記をパソコンで。仮眠をとったので今日は大丈夫。