カナダで古本屋探し。

今日は朝から旅行の為の荷造り。
途中買い忘れの品を買いに出たり。
いやあ、暑いや。
四時半の成田エクスプレスで空港へ。一時間近く寝てしまった。
空港で偶然定年退職した上司と会う。イタリア帰りだとか。悠々自適の生活ですね。
港内の本屋で石田千「月と菓子パン」を衝動買い。単行本もっているのに。
さて、今から搭乗です。
いってきます。


成田を定刻で飛び立った飛行機は順調に飛行を続け、現地時間の1時20分にバンクーバーへ到着。隣の席が空いていたので、ゆったり座れた。機内で『coyote』と「月と菓子パン」を読む。石田千さんの言葉の使い方にほうほうとうなづきながら半分ほど進んだところで着陸態勢に。
 入国審査と荷物受け取りで1時間ほどかかり、2時半くらいに空港出口へ。迎えに来てくれているはずの人をうまく見つけられずに、なんどかそこらをうろつきまわった末、やっと見つける。日差しは強いが、風が涼しい。夏の軽井沢を思わせる。カラッとした風は軽井沢以上かも。
 タクシーでダウンダウンへ。ロブソン通りのホテルに3時過ぎに着く。今日は月曜日なのだが、こちらの休日ということで仕事にはならない。すでに現地入りしている同僚や上司はそれぞれフリーで出かけているとのこと。それならとシャワーを浴び、着替えをしてから4時過ぎに散歩に出かける。
 ホテルのあるロブソン通りは休日とあって人出が多い。通りの両側に店がびっしりと並んでおり、東京で言えば原宿と言ったところか。とりあえず、『coyote』で松浦弥太郎さんが、歩いていたMain St.へ行ってみることに。ガイドブックの地図を頼りに歩き出す。交差する通りの方を振り向けばそこには海。雑踏の喧騒をすり抜けて海鳥の鳴き声が聞こえる。なにより風が涼しいのがうれしい。昨日までの蒸し風呂地獄を思えば天国のようだ。
 小1時間ほど歩いてMain St.へ。さわやかな気候なので汗もかかず、歩いていることが気持ちいい。このMain St.はなだらかな坂になっており、そこに日本ではとうに見られなくなったトロリーバスが走っていく。松浦さんが入ったというカフェ“FOUNDATION”という店があった。客も多く賑わっている。先に進む。これも松浦さん紹介の“CHROMA BOOKS”という古本屋を覗いてみたいと坂をずんずん進むがそれらしき店はない。さすがに歩き詰めで疲労を感じ始める。甘いものを体が欲している。あの教会の先まで行ったらあきらめて引き返そうと決め、通りの反対側に渡って今度は坂を下っていく。先ほど反対側からチェックしていたカフェに寄るつもりで歩いていると、L.L.Beanのショップかと思っていた木目調の真新しい建物が“J.J.Bean”というカフェであるのを発見し、この店に入ってみる。
 カフェモカとシュガーバンズを頼むと、Your name?と聞かれる。答えるとレジにアルファベットで打ち込んでいるらしい。手元が見えないのでどんな綴りで打ち込まれたかは不明。どうやら品物ができたら名前を呼ぶシステムらしい。ソファに座るとバンズをすぐに持ってきてくれる。しばらく待っていると、店員が何か名前らしいものを呼んでいるが、僕の名前を連想させるような音は聞こえてこない。しかし、困ったような視線を僕に向けて送っているから、カウンターまで行ってみるとそこにはカフェモカが。いったい、わが名はいかなるアルファベットの組み合わせとなったのであろうか。
 それにしても、こちらの食べ物も飲み物もでかいし、そして甘い。先ほどまで甘いものが食べたいと思っていた自分を責めるようにカフェモカもバンズもこれでもかと甘かった。
 さすがに、帰りも1時間歩く気力はなくなったので、途中からSky Trainという無人の交通システム(ようするに“ゆりかもめ”ですね)に乗る。こちらは券売機はあるが改札はないというシステム。無賃乗車は罰金なのだが、実際には利用者の常識に任されている。下車駅で手に持ったチケットの行き所がないのはちょっと困る。
 宿に戻り、上司・同僚と待ち合わせて海の近くのシーフードレストランで夕食。評判の店らしいのだが、居合わせた半分近くがシーフードがあまり好きではないことが判明。僕もそのひとり。結局肉料理を食べた。それにしてもサラダ、メインともに量が多い。ふうふう言いながらなんとか完食する。
 部屋に帰って、パソコンを立ち上げ、今日のメモを作成しようとするが眠さに勝てず、ベッドへ。
 少し、「月と菓子パン」を読んでから11時過ぎに就寝。