昼に家を出て神保町に向かう。
東京古書会館のUBCの会場へ。
まずは林哲夫さんの「文字力100」をゲット。その隣には黒岩比佐子さんの「音のない記憶 ろうあの天才写真家井上孝治の生涯」(文藝春秋)が平積みになっている。しかし、「文字力100」で新刊購入権は使い切ってしまっているため、この本を買うと借金生活に入ることになる。それもよかろうと手に取ると、定価2190円の本に1000円の値札がついているではないか。おお、これは新古本扱いだ。新刊でないとなれば、なにを恐れることもない。一緒にレジへ持っていく。
- 作者: 黒岩比佐子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/10
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 38回
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会場内に林哲夫さんの姿を発見。ご挨拶をして持ってきた辰野隆「燈前茶後」を差し上げる。林さんが蒐集されている渡辺一夫装幀本の1冊だ。よろこんでもらえたようでよかった。
もうひと回りして1冊選ぶ。
- 嘉治隆一「人物万華鏡」(朝日新聞社)
朝日新聞社の出版局長であった人の人物回想録。文学関係者の名前が多くみうけられるため買っておく。原弘装幀。
また、旅猫雑貨店の出品から布製新書ブックカバーを購入。古本で入手した新書につけるカバーが欲しくて前から探していたのだが、なかなか気に入るものがなかったのだ。これは今使っている無印の文庫カバーと同じような材質で使いやすそう。
その後、古書会館を後にし、コミガレを覗いてから喫茶ぶらじるへ。ブレンドを飲みながら、川崎長太郎「抹香町|路傍」読了。最後に置かれた「徳田秋声の周囲」を興味深く読む。山田順子と秋声の関係やその2人との作者の関わりが詳しく描かれていて面白い。読みかけで放ってある「仮装人物」を読まなくてはと思う。
これで新刊を1冊買うことができるため、東京堂ふくろう店でこれを。
新書判なので早速先程買った新書カバーを装着。使い勝手よし。
- 作者: 岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 新書
- 購入: 7人 クリック: 98回
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本来なら、この後UBCで行われる岡崎武志さんと黒岩比佐子さんのトークショーを聴くところなのだが、仕事がらみの会合が入ったため横浜へ向かう。
車内で「気になる部分」を読み出す。最初の「空即是空」からその世界と関わる独特の感覚と文章表現力に魅了される。思わず顔がにやけてしまって困る。
5時から横浜の焼肉屋で会合。それなりに盛り上がって終了する。
帰宅後、「気になる部分」読了。翻訳家のエッセイというのは翻訳に関わる苦労の部分や言葉についての蘊蓄などが楽しいのだが、この岸本さんの文章は翻訳についてのものはほとんどない。そんなものなくとも滅法面白いのだ。癖になる文章だな。岸本さんの訳したニコルソン・ベイカーの作品もぜひ読んでみたい。
読了2。購入2。
【購入できる新刊数=1】