文庫目録の引き出物。

本日は休日出張。
雨を予想して傘を持っていく。仕事が予定外に早く終わったので、使わずに済んだ。
横浜の有隣堂を覗いてから、地元の本屋へ。
銀座の教文館前や神保町の書泉グランデ前などに並んでいる廉価版DVDシリーズのコーナーが新しく設置されている。

500円で。実はこの有名は喜劇人の映画をまともに観たことがないのだ。お勉強のための1本。


ダイソーユニクロ、無印、その他によっていろいろ買い物をし、遅い昼食を大戸屋でとる。
一人客用の大テーブルについて「一九七二」を読みながら、料理を待っていると、正面の席から大きな話し声が聞こえるので顔を上げ、20代前半と思われる女性が携帯で通話しているのを確認する。目を伏せて読書を続けている耳に「で、合コンいくんでしょ?」というような声が入ってきて気になる。その彼女のテーブルに料理が来たので、通話は終わるかと思ったのだが、食事をとりながらも電話を切る素振りはない。「食事しながら電話するのは失礼ではないか」と自分の中のオジさんが叫ぶ。彼女の同世代の友達と思われる通話相手はどう思っているのだろう。それを失礼と感じはしないのだろうか。
自分の食事をしていると彼女の声が聞こえなくなる。すでに食事を終えた彼女は今度は熱心に携帯でメールを打っていた。今の彼女にとって携帯電話のない生活は考えられないのだろうなと思う。ついこの間までこんなものなかったのに。
「新しいものを作り出してしまうと、人間はもうそれがなかった昔には戻れない」というようなことを故山本夏彦氏が言っていた記憶があるが、まさにそれを体現した彼女の姿を見ながら、携帯をよく家に忘れて出かけてしまう僕は、なくても生きていけるとは思う。それは僕がいつでも繋がっていたいという存在を確保できていないということの裏返しかも知れないが。


帰宅後、少し仮眠をとった後、「一九七二」の続きを読む。夜8時ごろ読了。
連合赤軍事件といった政治・思想色の強い題材を扱って頭でっかちにならず、これだけふだん着感覚のリーダブルな書き方ができるのはさすがだな。坪内さんが来月出す新書が楽しみだ。


昨日の結婚式で貰ってきた引き出物のカタログに目を通す。なんでこんなにたくさんの商品が並んでいるのに、どれもこれも欲しいと思えないものばかりなのだろう。代わりに、ちくま文庫ちくま学芸文庫)、講談社文芸文庫岩波文庫などの解説目録が入っていて、その中から3冊選べと言われたら半日がかりで目録を隅々まで読んで、これ以上ないという引き出物を選ぶのに。どこかの出版社の方、結婚式場とタイアップしてやりませんか?


今日は一冊読了したため、買える本が増えた。

【購入できる新刊数=3】