新人類、最後の旧人類と邂逅す。

退勤後すぐに池袋へ。
本日は、ジュンク堂岡崎武志さんと坪内祐三さんのトークセッションがあるのだ。
5時半過ぎに池袋着。
まずはサンシャインシティへ向かい急ぎ足で古本市をのぞく。
その後、ジュンク堂へ。
楽しい時間を過ごす。
終了後、向井透史さんや書肆アクセスの畠中さんと合流。退屈男さんや密偵おまささん(お二人ともトークセッションを聴きにいらしていた)も加わり、飲み会に行く。
ここでもまた楽しい時間を過ごす。
横浜まで帰るので先においとまする。みなさん、ありがとうございました。
もう、寝なければいけない時間なので、詳しいことは明日追記いたします。

【追記】
サンシャインシティ内の「青葉」でつけ麺を食べてから、古本市の会場へ。15分ほどでざっと流す。

淡谷本は立石書店の棚から。佐野繁次郎装幀本だ。表の白と裏の赤というコントラストのカバーの上に描かれた佐野繁次郎手書き文字と裸婦の絵にノックアウト。
村上本は坪井書店の棚から。先日阿佐ヶ谷の古本屋を回った記憶も新しいところなので、すっと手が伸びた。同じ“文壇資料”シリーズの近藤富枝本は中公文庫に入っているのだが、この本は文庫化されていないと思う。こういう本は講談社文芸文庫に入れてほしいものだな。
慌ただしくジュンク堂へ戻る。4階にある会場に行く前に、3階の文芸書の棚を眺めていると、新刊コーナーに坪内さんが立っているではないか。どうやら編集者と思われる人と話をしているようだ。なんだか居づらくなって会場へ移動する。受付のところに先日コクテイルでお会いした工作舎の石原さんの姿が見えた。予約の確認カウンターの列の前にはリコシェの阿部さんが並んでいたのでご挨拶する。
中に入るとドリンクを選んで、席に着く。7時になってトークセッションが始まった。岡崎さんと坪内さんのツーショットというありそうでなさそな光景を不思議な感覚を抱きながら眺める。最初、緊張気味に見えた岡崎さんも時間の経過とともにリラックスされたようで、いつものトークになってきた。まず、驚いたのは坪内さんの記憶力。先日コクテイルで岡崎さんから聞いたお2人の馴れ初めの、日時やシュチュエーションの細部が次々と坪内さんによって訂正されて行く。岡崎さんの食べた定食の名前まで覚えている記憶魔ぶりは鳥肌ものだ。
トークの内容は、『彷書月刊』で活字化されるそうなので、簡単に印象に残ったことだけ記しておくと、坪内さんが今の若い人に対して、最初からマイナーポエット(小山清川崎長太郎など)しか読まず、狭い世界に閉塞してしまうのはつまらないから、今安く売られている世界文学全集を読破する方が現在の状況ではカッコいいのではないかと言っていた。
岡崎さんが、最初に書評の仕事をしたのは瀬戸川猛資さんの紹介によるもので、書評のいろはを瀬戸川さんから手ほどきされたという話は初耳だった。瀬戸川さんの「夢想の研究」は名著だと思う。自分の選ぶエッセイベスト5には必ず入るであろう作品と言っていい。
坪内さんは、岡崎さんを含む自分たちの世代を“最後の旧人類”と名付けていた。1964年生まれの僕たちがかつて“新人類”と呼ばれていたことを久し振りに思い出す。
トーク後の質問コーナーで若い方が質問をしたのだが、その内容で、「もしや、このひとが退屈男さんでは」と思う(後でそれが正しかったことを知る)。終了後、会場におまささん(id:mittei-omasa)がいたことが分かる。その他、「東川端参丁目の備忘録」の(id:thigasikawabata)
さんも会場にいたことをブログで翌日知った(あのかたではないだろうか。それともあれは「crazy feeling 2」のhstmさんだったのかもしれない)。
ジュンク堂1階で向井さん、畠中さん、おまささん、退屈男さん、「編集会議」のHさん等と合流。向井さんから先日目録で注文していた品を受け取る(その他に、杉村春子の文庫本をおまけとしていただく。ありがとうございます、向井さん)。

前者はお願いしてサイン本にしてもらった。後者は若き日の三船敏郎鶴田浩二が表紙。総特集“戦後が匂う映画俳優”で、総勢198人の顔写真と簡単なプロフィールが載っている。そのうえ、田村高廣特別インタビューまである。嬉しい限り。そうだ、今号の武藤康史「文学鶴亀」第6回は“福田恆存”ですよ、ふじたさん(id:foujita)。
うどん屋さんへ行く。その後、荻原魚雷さんも加わり、岡崎さんのブログで名前を聞いたことのある方々とも初対面のご挨拶をする。
その後、2時間ばかり楽しい時間を過ごす。往来座の瀬戸さんがとても一生懸命で楽しい方であった。こんどまた往来座に行ってみようと思う。
名残り惜しいのだが、横浜まで帰るためみなさんより一足早く店を出る。うどんもトマトも美味しい店でした。
帰りの電車で中野翠「今夜も落語で眠りたい」(文春新書)をほとんど読んでしまう。金原亭馬生「目黒のさんま」を聴きたくなる。