一日二本。

夕方までかけて広報誌を校了にする。やれやれ。
空き時間にTBSラジオのHPで「森本毅郎・スタンバイ」の1コーナー「ブックナビ」(http://www.tbs.co.jp/radio/stand-by/talk/thu/index-j.html)を見ると岡崎武志さんの書評を読むことができる。今年最後の書評は芝山幹郎「映画一日一本 DVDで楽しむ見逃し映画365」(朝日文庫)だった。前から気になっていた本なので帰りに買おうと決める。
ということで本屋へ。芝山本の他にもう1冊。

特集が“本の雑誌が選ぶ2005年度ベスト10”であれば、買わずにはいられない。そのベスト10に読んだ本が1冊もないことに今更ながら気付く。この雑誌のメインストリームである面白エンターテインメント小説と僕の読書傾向はほとんどクロスしないようだ。それでも巻頭に草森紳一「随筆 本が崩れる」が取り上げられ、「マンガ羅針盤」のコーナーで「大東京ビンボー生活マニュアル」が紹介されているのを見ると、やはり僕の読書傾向とこの雑誌はシンクロしているようにも思えてしまう。「私のベスト3」のページでは坪内祐三さんが先の草森本と青木正美「古書肆・弘文荘訪問記」とともに大江健三郎「さようなら、私の本よ」を挙げていることに軽い衝撃を覚え、岸本佐知子鴻巣友季子という気になる2大女流翻訳家のご両人が町田康「告白」を《これはもうはっきりと天才であることが証明されてしまったのだから仕方がない》、《この先五十年を代表する心理小説になると言ってしまおう》と声を揃えて賞賛しているのを読むと、これは読まねばならないかと思う。
本日の移動中に立川談春文七元結」・「九州吹き戻し」をipodで聴く。「文七元結」の佐野槌のおかみさんの博打打ちに関する語りは見事だなあと感心する。少なくともこの部分は自分の噺にしていると言っていいのではないか。佐野槌からいきなり橋の上に行くのではなくて、文七が帰ってこないことを心配する店の様子を描写してから橋の上に場面転換することろが新鮮だった。「九州吹き戻し」は初めて聴く噺。柄の大きい不思議な噺だ。こういう噺が似合うというのがこの立川談春という名前の落語家のありようを示しているような気がする。師である立川談志師匠がほめるだけのことはあると思う。安直に評価はできないが、なんだか期待を持たせる人であることは間違いない。
帰宅して、今週の『週刊文春』を読んでいると坪内祐三文庫本を狙え!」が芝山幹郎「映画一日一本」を取り上げている。この偶然がうれしいね。自分の買った本への気を引く書評に一日二本も出会うなんて。
テレビでトヨタカップを観る。リバプール強いな。ジェラード最高。日曜の決勝が楽しみだ。
今日聴いたアルバム。

レスター・ヤング・トリオ (紙ジャケット仕様)

レスター・ヤング・トリオ (紙ジャケット仕様)

レスター・ヤングナット・キング・コールバディ・リッチのトリオ。すごいメンバーだ。SPレコードをCD化したものなのでザーッという雑音が入る。それがまたいい。ピアニストとしてのナット・キング・コールの姿を知ることのできる1枚。もちろん、レスターのサックスも素晴らしい。