リニューアルあれこれ。

職場からの帰りに本屋の雑誌コーナーを覗く。
文學界』、『論座』、『潮』といった雑誌が表紙デザインをリニューアルしている。『潮』は南伸坊画伯描く文庫本と柿ピーの缶。いい味出していて好きだなあ。でも雑誌自体は買わない。『論座』はどうしてこうなってしまうのというくらいダメダメな感じ。むしろ内容で勝負していることをアピールするための作戦かと無理矢理勘ぐりたくなるくらい。
文學界』は野又穫という人の絵(結構好きだった)から、内藤礼という人の作品の写真に表紙が変わっている。このモノクロのシンプルなデザインはいい。個人的には大好きなタイプ。それに特集が“二〇〇五年の坂口安吾”とくれば買わないわけにはいかない。まあ、デザインや特集が違っても毎月惰性で買っているのだから、結局買ったと思うけど。
小谷野敦「上機嫌な私」は、東大図書館のひどさを批判している。文中に出てくる《著作権料も入っている国会図書館等でも二十五円(税込み)である》という表現は間違いで、《単なる係員の手数料でした。次号で訂正します。》と小谷野さんが自分のブログで訂正していた。何故か、今日覗いてみるとブログの名前が「jun-jun1965の日記」から「猫を償うに猫をもってせよ」に変わっている。「読書日記@川崎追分町」でも言及されていたが、この小谷野さんの日記は、古い日付のものでもいろいろ書き込まれたり、消去されたりと油断ができない。過去にさかのぼって読み始めると、どんどんと地の底へ引っ張り込まれるような思いにとらわれる不思議な世界が展開されていて興味深い。


【月刊アン・サリー計画/今日の1曲】

サラ・ヴォーンが歌うこの曲が入ったジャズボーカル名演集のテープを繰り返し聴いていた時期がある。10代の終わり頃のことだ。美しいストリングスとホーンのアンサンブルをバックに天空を飛翔するかのようなサラの高音。サラの「ミスティ」はいくつか録音が残っているが、1958年パリでのものが最高。アン・サリー・バージョンは、アコースティクギターだけをバックに、語りかけるような1曲にしてほしい。