浴衣にTシャツ。

早いもので、今日から8月である。
今日も蒸し暑い。今月はほとんど野外での労働となるため大汗をかいて昼過ぎまで仕事。昨日は休日出勤で休めなかったことを考え、早目に職場を出る。
電車で馬車道へ。横浜港で花火大会があるらしく、駅には浴衣を着た女性の姿が目立つ。誠文堂書店を覗く。文学・芸術の棚から映画が独立し、新しい棚が作られていた。店番はバイトらしき中年女性。初めて見る人だ。棚を眺めていると奥さん(店主)が帰ってくる。バイトの女性に奥さんが「花火大会行くのなら、ウチの屋上で見ない」と誘っている。いいところにウチがあるのだなあと思っていると、「あら、いらっしゃい」と声を掛けられ、「花火大会を見に来たんですか」と聞かれる。「花火大会の存在すら知りませんでした」となんとも間の抜けた答えを返す。2冊購入。

種村本は、この名著と評判の本をまだ持っていなかったので。最近ちくま文庫に入った武井武雄「戦中気侭画帳」について1章割かれているのもちょうどいいタイミング。
「人間風景」は、洲之内徹さんの文章で何度となく取り上げられていた画家・松本竣介氏の文集。洲之内氏の文章でも触れられていた「生きている画家」を読んでみたくて購入。松本竣介氏に関しては、昨年洲之内コレクションを観に行く前の予習として宇佐美承「求道の画家 松本竣介ーひたむきの三十六年ー」(中公新書)を読み、コレクションを展示していた宮城県美術館の本屋で買った中野淳「青い絵具の匂いー松本竣介と私」(中公文庫)を復習として読んで興味を覚えた。「生きている画家」は昭和16年に雑誌に載った鈴木庫三少佐らによる座談会「国防国家と美術」に対する反論である。鈴木少佐らの芸術及び芸術家の価値を認めない発言に対して危険を顧みず己の意見を表明したこの文章によって松本竣介という存在は“抵抗の画家”という枠組みを与えられることになる。この「人間風景」には、その他の文章や詩、それに奥さん宛の書簡なども収録されている。
先程触れた鈴木庫三少佐は、佐藤卓己言論統制」(中公新書)の主人公だ。この本も気になっている積ん読本。早く読まなくちゃ。
馬車道にある古い洋食屋ポニーで遅めの昼食。カツカレーを頼む。昔ながらのドロドロのカレー。子供の頃町の食堂で食べたあのカツカレーだ。味も昔風。美味しいかと聞かれれば「普通」と答えるしかない。でもそれでいいのだ。満足。
電車で一駅戻り、みなとみらい駅へ。明後日からの泊まりがけ出張第2弾のために靴を買いにアディダスショップへ。前回の出張より、もっと山深いところへ行くので、この機会に新調する。現在使っているリーボックは穴があいてしまったのでこれでお役御免に。
みなとみらい駅では、馬車道駅以上に浴衣の女性がこれでもかという勢いで増殖している。いっしょにいる男性の方はTシャツにGパン姿だったりする。せっかくなんだから浴衣で合わせればいいのに。たまに浴衣の男性も見かけるが、若い男の子が浴衣の襟から白いシャツを覗かせていたりするので、がっくり。それじゃ、温泉宿の寝間着だよ。
地元の駅まで戻り、これも出張準備のためユニクロで衣類を調達し、本屋へ。

  • 『大人のウォーカー』9月号

この雑誌は初めて買った。買った理由は、“角田光代岡崎武志が神保町を古本散歩”という対談が載っているからだ。お約束の古本屋(一誠堂書店、海坂書房、みわ書房)よりも山の上ホテルのお二人が珍しくていい。一度泊まってみたいんだよなこのホテル。昨夏、大学時代の友人と、山の上ホテルに宿泊し、後楽園のラクーアで温泉に入り、昼は古本屋めぐり、夜は神楽坂で食事とお酒という企画を立てたのだが、結局ラクーアから神楽坂という日帰り飲み会で終わってしまった。いつかはこの企画実現させたい。
この対談以外はほとんど目を引く記事がない。岡本太郎の養女・岡本敏子さん追悼の特集ページくらいかな。まだ、僕には早すぎる雑誌ですね。