後悔先に立たず。

昨日の残業の疲れが取れず、なんだが一日ボウッとしている間に過ぎて行く。
職場の同僚がipodを入れるipodソックスなるものをくれる。専用のケースを買おうと思いながら後回しにし、代わりにハンドタオルを輪ゴムで巻き付けておくというスタイリッシュで売っているipodへの乱暴狼藉を見るに見かねたらしい。ありがたく使わせていただく。
帰りの書店で雑誌2冊。

サライ』は夏目漱石特集と双葉十三郎さんのインタビューが掲載されているので。漱石特集は58ページにわたるものでなかなか読み応えがありそう。双葉さんのインタビューには“厳選名画20本”のリストが付いており、日本映画は「忠治旅日記」(伊藤大輔)、「抱寝の長脇差」(山中貞雄)、「浪華悲歌」(溝口健二)、「安城家の舞踏会」(吉村公三郎)、「麦秋」(小津安二郎)、「七人の侍」(黒澤明)、「二十四の瞳」(木下恵介)、「浮雲」(成瀬巳喜男)、「飢餓海峡」(内田吐夢)、「幸福の黄色いハンカチ」(山田洋次)の10本。最初の2本はフィルムが一部しか残っておらず、その姿を自分が見ることはできないのだと思うとなんだか切ないような歯がゆいような気分になる。どこかの好事家がオリジナルプリントを秘蔵しているなんてことはないんだろうか。「麦秋」「七人の侍」「浮雲」なんて今更いうまでもない名作たちだが、それでもやっぱり題名を並べられただけで尾っぽを振ってしまいそうになる。
ku:nel』を女性の居並ぶ平台から手に取るのはちょっと恥ずかしい。けれども、いま旬の雑誌だから必ず買ってしまう。音楽のページでジャズ喫茶DUGの店長である中平穂積さんが“ジャズって、なに”という連載を始めている。大学時代、同級生の女の子を映画に誘って、観終わった後に入ったのがDUGだった。僕みたいな素人ジャズファンにも入りやすい店だったのだ。もう随分行っていないなあ。そういえば、あのとき観に行ったのは「ロッキ−4」だったっけ。大学生が女の子誘って観に行く映画じゃないよな。もっとそれなりの映画を選べばよかったのに。後悔先に立たず。