先送りの日々

日課の書店通い。気になる雑誌、欲しい本がそこここにある喜び。
例えば、「別冊文藝 池波正太郎」や「別冊太陽 日本の博覧会」、それにギャグ漫画を特集した「ユリイカ」。
そして堀江敏幸さんのエッセイ集や、小沢昭一さんの対談集などなど。無理をすれば買えないこともないのだが、わざと買わない。
買うときの喜びを残しておくために、先送りする。仕事でも人生でも物事を先送りし、後悔や自責の念を感じることの多い我が身だが、こんな先送りなら大歓迎。経済的にも助かるし。

それでも、せめて1冊くらいは買いたい。

「新・読前読後」の1月23日のブログで、取り上げられているのを読んで気になっていた本。庄野さんと言えば、岡崎武志さんが絶賛する「夕べの雲」(講談社文芸文庫)を以前に読んで印象深かったことがあり、昨秋に再読した村上春樹「若い読者のための短篇小説」に「静物」が取り上げられていたことなどもあって最近興味の度を強めていたところだった。作中で作家・小沼丹の死に触れているというのも見逃せなかった。小沼さんと言えば、5年程前、ロンドン旅行中に読んだ「椋鳥日記」(講談社文芸文庫)も淡々としたいい味わいの本だったなあ。