ポストを開けると。

 仕事を終えて通夜へ。若い知人が二十歳でこの世を去った。

 ろくでもないことが多い世の中ではあるが、それでも生きてれば「幸せだ」と感じられる瞬間がろくでもなさと同じくらいは訪れただろうに。


 帰宅するとポストに塩山さんから郵便が。中には塩山さんが編集・発行人をしているマンガ雑誌『Mate』と静かな街を考える会編『AMENITY』27号、それにミニコミ『シネマぜんざい』20号が入っていた。ありがとうございます。

 
 『Mate』には塩山さんの「嫌われ者の記」と南陀楼綾繁さんの「活字本でも読んでみっか?」が連載されている。「嫌われ者の記」で塩山さんが読んでいる佐藤春夫「小説永井荷風伝」(岩波文庫)はこの前のみちくさ市の嫌記箱から僕が買った本だなきっと。南陀楼さんは樋口尚文「ロマンポルノと実録やくざ映画」(平凡社新書)を紹介。読んでみたい1冊。

 『シネマぜんざい』には塩山さんの「原作VS映画」というコラムが載っている。今回は「私は猫ストーカー」。映画の後半を評価。上映館はボロクソ。


 一昨日の夜、古書往来座外市用の本を送った。その内訳は以下の通り。


【単行本】
「僕の読書感想文」近田春夫
「目白雑記3」金井美恵子ラジオの学校 河内紀
「出版クラッシュ」安藤哲也・小田光雄永江朗
「戦士の抱擁」ナディン・ゴーディマ
「食卓は笑う」開高健
「小説の読み方、書き方、訳し方」柴田元幸高橋源一郎
「ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうね」岡崎京子
「文藝別冊 岡崎京子
きょうの猫村さん4」ほしよりこ
「新ちくま文学の森 ごちそう帳」
「小説家になるには」野原一夫
「随時見学可」大竹昭子
「古本漁りの魅力」高橋輝次
「なやまない」田中小実昌
ムーたち 1」榎本俊二
ムーたち 2」榎本俊二

【文庫本】
「『坊ちゃん』の時代」関川夏央谷口ジロー
「意味の変容」森敦
「装丁ノート製本工房から」栃折久美子
「英語と英国と英国人」吉田健一
「友よ、さらば 弔辞大全1」開高健
「神とともに行け 弔辞大全2」開高健
孤独のグルメ久住昌之谷口ジロー
私の履歴書 女流作家」
アブサロム、アブサロム!(上・下)」フォークナー
「鳳仙花」中上健次
「豪快さんだっ!完全版」泉昌之
ジョン・レノンが見た日本」ジョン・レノン オノ・ヨーコ
「わたしの大阪」小松左京
「編集狂時代」松田哲夫
「性の発禁本」城市郎
「小銃」小島信夫
美空ひばり竹中労
洋酒天国1」開高健監修
「ツィス」広瀬正
「貧乏サヴァラン」森茉莉
放送禁止歌森達也
「辛口!JAZZノート」寺島靖国
「眠らせろ!」夏目房之介
「父・夏目漱石夏目伸六
「ザ☆ガム大事典」串間努
「仕立屋銀次」本田一郎
「作家が綴る 新潟見聞記」
「酒食生活」山口瞳
「野球戯評」梅原猛小松左京多田道太郎
「人間狩り」フィリップ・K・ディック
「東京散歩昭和幻想」小林信彦
「新版貧困旅行記つげ義春
「新版つげ義春とぼく」つげ義春
「日本人の遊び場」開高健
「秋津温泉」藤原審爾
「春やはて」安西水丸
直木三十五伝」植村鞆音
「新さん」泉昌之
阿部定手記」前坂俊之編
「酒肴酒」吉田健一
カニバリズム論」中野美代子
「マルジナリア」澁澤龍彦
狂人日記色川武大
「藝術とは何か」福田恆存
「北岸部隊」林芙美子
「新・東海道五十三次武田泰淳
「わかっちゃいるけど…」青島幸男
「老いらくの記」石坂洋次郎
池波正太郎のフィルム人生」池波正太郎
「落語CD&DVD名盤案内」矢野誠一・草柳俊一
「昨日のツヅキです」都筑道夫
「変な映画を観た!!」 大槻ケンヂ



【新書版】
「帰って来た猫ストーカー」浅生ハルミン
「清張ミステリーと昭和三十年代」藤井淑禎
「生半可な學者」柴田元幸
「日々の暮し方」別役実



 昨日は『ちくま』9月号が届いた。林哲夫さんの「ふるほんのほこり」は『蜜柑』という題で山本善行さんの「善行堂」ともう一つの古本屋の開店を言祝ぐ。林さんの筆致はビターな愛情に満ちている。