長州小力風に。

本日は遅番のため、歩いて歯医者に行く。
待合室で携帯本の武井武雄「本とその周辺」(中公文庫)を読む。先日、この本が限定復刊されたことを知り、自分が持っていることを思い出したため、今月の中公文庫はこれに決めた。
治療終了後、先生からもう通院しなくてもよい旨伝えられる。うれしい。


昼食を買ってから職場へ行き、仕事にかかる。締め切りの迫っている仕事を抱え、同僚たちが三々五々退勤しているのを横目にパソコンで文書作成を続ける。そのうち自分が《長州小力風に》という表現を打っていることに気付く。《長州小力風に》ってなんだよ。しかし、冷静になって考えてみると、状況的に必要な表現なのでそのまま残すことに決定する。人気のなくなってきた夜の職場で、よりによってなんでこんな修飾語を書いているのだろうと少し情けなくなる。せめて《ケインズ経済学を止揚した》とか《フェルマーの定義の難解さを凌駕した》といったような修飾表現を使ってみたいものだな。ただ、悲しいかな僕の作成している文書にそんな表現は必要ないのだった。


帰宅後、林哲夫「文字力100」読了。装幀者の記載はないが、81番に出てくる「大学のお姐ちゃん」という映画の台本の手書き文字はやはり佐野繁次郎画伯のように思える。林さんも直接言及してはいないが、80番を弟子筋にあたる花森安治装幀本、そして82番を佐野繁次郎装幀本というカタチで挟み込んでいるのだから、たぶんそういうことなのだろう。


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【購入できる新刊数=2】