ドロシー・ラムーアが待っている?

今日は雨。月曜日の雨は他の曜日の雨よりも、気分を重くする。
仕事の休み時間に、郵便局へ行き、アン・サリーライブのチケット申し込みを行う。うまく指定席が2枚取れますようにという思いを込めて、窓口のお姉さんに「よろしくお願いします」と声をかける。
仕事帰りの本屋で雑誌とDVDを買う。

  • 『クイック・ジャパン』Vol.61
  • 「バリ島珍道中」

『クイック・ジャパン』は“矢沢あい”と“いとうせいこう”の特集だが、それらは飛ばして、近代ナリコさんと荻原魚雷さんのコラム、草森紳一氏と坪内祐三氏のエッセイに目を通す。この他に「小西康陽と巡った渋谷大盛堂本店『最後の日』」といった記事があったりするので、この雑誌(ムック?)は侮れない。坪内版「私説東京繁盛記」である「東京」でも、渋谷大盛堂本店の閉店を話題にあげている。先頃、同じ渋谷の旭屋書店も閉店してしまった。地味ながら岩波書店の本や翻訳小説、サブカルチャー本の品揃えが充実していたこの書店が好きだっただけに残念。
「バリ島珍道中」はビング・クロスビーボブ・ホープ主演の珍道中シリーズの1本。最近書店で見かける500円DVDを初めて買ってみた。この作品がリストアップされているのは「未読王購書日記memo」を読んで知った。500円で買えるのなら、他の珍道中シリーズも発売してほしい。特に「モロッコへの道」を。昔、レンタルビデオで一度観たきりなので、もう一度観てみたいのだ。
帰宅して、メールをチェックすると南陀楼綾繁さんから素敵なイベントのお知らせが。ぜひ、参加してみたいなあ。そのうち「ナンダロウアヤシゲな日々」でも告知されるとのこと。
その他に、「ポプラビーチメールマガジン番外編」が配信されている。日月堂佐藤真砂さんと古書現世向井透史さんの日記の第二弾が載っている。向井さんのものは、古本屋の店頭にある百円均一本の話。先日お会いした時も、古本屋にとって店内で扱えない本の処理が大変なのだというお話を聞いたばかりなのでなるほどと思う。僕も百円均一台を覗くのは大好きなため、「売れ残り型」でも「おこぼれ処分型」でも構わないからどんどん百均本を入れてほしい。ただ、店によっては、判別をしやすくするため、本の底に赤マジックなどで印を付けていたりするところもあるので困る。その店にとってはツブシ同然なのかもしれないが、買う側にとってはたとえ百円でも自分の蔵書なのだ。そして蔵書はいつかまた売られていく可能性を持っている。今、価値のない本が未来にも価値が出ないと言い切ることはできない。今日百均台にあった本を、5年後、10年後には5000円で売っていることもあるのだから。商品として置いてある以上、買ったお客の品をあらかじめ汚すようなことはしないでほしい。
百均台の向こうにドロシー・ラムーアは待ってはいないかもしれないが、その本を喜んで読む人間がどこかにひとりぐらいはいるかもしれないのだから。


【月刊アン・サリー計画/今日の1曲】

  • BILL JOEL「Just The Way You Are」

昨日に続いて、ビリー・ジョエルの曲。グラミー賞を受けたこの曲もスタンダードと言っていいのでは。間奏でサックスを吹いているのは、ジャズサックス奏者のフィル・ウッズチャーリー・パーカーを敬愛するあまり、その未亡人と結婚してしまったウッズが気持ち良さそうにサックスを吹いているだけで、この曲はもうジャズです。