人型水袋。

曇りなのだが、蒸し暑い一日。
昼過ぎまで野外で仕事をする。現場に行くまでに汗をかき、仕事着に着替えてまた汗をかき、帰り支度になったとたんにまた汗をかく。まるで汗の国から汗を広めにきたような気分になる。それとも、自分は人のカタチをした穴の開いた水袋なのだろうか。
本屋により2冊。

本の雑誌』は30周年特大号第2弾。対談・座談会が豪華。坪内祐三×亀和田武本の雑誌30年スクラップ対談」と松田哲夫×永江朗×田口久美子「激動の30年を振り返る」に加えて高橋源一郎×新元良一「異種交配キメラ小説よ、もっと出てこい」など。
坪内×亀和田対談で1996年10月号にまだメジャーデビュー前の坪内さんのロングインタビューが掲載されたことを知る。ちょっと読んでみたいな。また、同年4月号の巻頭には「下高井戸近藤書店二代目近藤雅彦37歳はたま〜に車券でリフレッシュ」というインタビューが載っているとのこと。近藤書店は大学時代によく立ち寄った店なので懐かしい。
『東京人』は特集“落語が来てる!”。『文學界』の特集より、落語のいまをとらえようとしている感じ。同世代の落語家の噺をほとんど聴いていないという事実に直面する。さて、どうしたものか。49ページの小三治師匠と小沢昭一さんが火鉢に手をかざしている写真がいい。こういうのを味のある顔とゆーのでしょうね。
その後、仕事の本に目を通したりしていたのだが、明後日からの京都行きのことが頭にチラつき、集中できない。野村宏平「ミステリーファンのための古書店ガイド」(光文社文庫)を眺めたり、『エルマガジン』のバックナンバー(本屋特集)を取り出してみたりという状態に。
今回は2泊3日の予定なので前回の京都行きより1日余裕がある。そのため、中1日を使い大阪へ足を伸ばすことに決定。阪急梅田の古書のまちや貸本喫茶ちょうちょぼっこなど以前から気になっていた店を回ってみるつもり。
偶然、「日用帳」(id:foujita)のfoujitaさんや「古書うさぎ書林の日々平安」のうさぎ書林さんが京都や大阪の古本屋を回っている。それらの文章を読みながらすでに心は京阪神に飛んでいる。
「日用帳」で山本為三郎「上方今と昔」(文藝春秋新社)が取り上げられているのを見て、本棚から抜き出してくる。この本は去年小宮山書店のガレージセールで見つけた佐野繁次郎装幀本の一つ。タオル地かと思うような紺の布ばりの造本で、挿画は鍋井克之。面白そうな本だ。出発前に少しだけでも目を通しておこう。