カツサンドに肉は必要か。

今日は遅番出勤の日。TSUTAYAにDVDを返却し、スタバでカフェモカを飲みながら長尾三郎「週刊誌血風録」(講談社文庫)を少し読み、郵便局で『芸術新潮洲之内徹特集号の代金を払い込む。駅ビルのマイセンでヒレカツサンドを買い込んでから職場へ。このヒレカツサンドが気に入っている。パンと衣とソースのからみ具合が何ともいえない。食べながら間に挟まっているヒレ肉は本当に必要なのかという素朴な疑問をふと抱いてしまう。

帰り道の書店で、次の本を見つける。

2月上旬刊行と聞いていたが、既に出ていたのだ。昨日村上春樹氏の短篇を読んだばかりのところにこの本が。タイミングのよさに思わずレジへ。文庫本よりひと回り大きいサイズ。佐々木マキ画伯の手になるイラスト付きの箱に入ったオレンジ色も鮮やかな装幀に白抜きで題名が書かれ、作者名と画家名が黒く、ワンポイントとしてあしらわれている蝙蝠はグレーで。表紙と裏表紙にはクッション材が入っていて、プニュプニュした気持ちのいい感触に作られており、本作りを楽しんでいる様子が伝わってくる。ブックデザインは菊池信義氏。
ふしぎな図書館

本の内容は、主人公の少年が図書館に本を返しに行き、ひょんな成り行きから地下牢に閉じ込められ、お馴染みの羊男や美しい少女に助けられながら、図書館から脱出するというお話。ラストがヘンにアン・ハッピーエンドになっているのが不思議な感じ。このラストに研究者は過剰な意味づけなどをしそうな気がする。意味を読み取るより、気分を味わった方がいいんじゃないだろうかこういった小品は、と思う。

やはり、村上春樹氏の文章には、佐々木マキ氏の絵が似合う。以前、ちくま文庫小林信彦オヨヨ大統領」シリーズの挿絵に佐々木氏が使われたときにはどうしても違和感が消せなかった。やはり、相性というものはあるようだ。角川文庫でオヨヨシリーズに親しんだ僕には、小林泰彦氏の絵でなければしっくりとこない。最近の「東京少年」の連載などでは小林兄弟のコラボレーションが復活し、心中喝采を叫んでおります。

帰宅してテレビをつけると、鬼平犯科帳スペシャルがやっている。後半の1時間ばかりを観る。この中村吉右衛門演じる鬼平が大好きで、第1シリーズがらずっとビデオに録り、DVDが出てからはそれも買い揃えつつあるという状態。さすがに吉右衛門さん筆頭にレギュラーメンバのみなさんも歳をとられたなぁと感慨深いものがあるが、いつもの鬼平でまんぞく、まんぞく。ただし、江戸や猫八さんが他界されたため相模の彦十がいないのが残念。しかし、他の人の演じる彦十のとっつあんは観たくないからこれでいいのだろう。単発の放映で、シリーズ化ではない模様だ。