先週に続いてお茶の水に研修に行く。
先週と同じ場所だが、別の講座なので先生も受講生も違っている。前回、周囲の服装があまり地味だったので、今回は落ち着いたモスグリーンのセーターを着ていったのだが、レモンイエローのブラウスの女性やワインレッドのセーターの男性がいてずいぶんと雰囲気が違っていた。
午前中の3時間を終えて昼休みとなる。ソッコウで研修所を出て神保町へ向かう。すずらん通りのスヰートポーヅに入って中皿定食で昼食。
昨日、泉昌之「食の軍師」(日本文芸社)の中の『餃子の軍師』を読んで餃子を食べたくなっていたところに、同じく『ミーツリージョナル別冊 おかわり! 東京ひとりめし』(京阪神エルマガジン社)を眺めていてスヰートポーヅを見つけ、ひさしぶりにここの満洲スタイル餃子を食べたくなったのだ。狭い座席で相席になるのが難点だが、シンプルな餃子定食を堪能した。
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おかわり!東京ひとりめし―シャイな人でも行きやすい、ひとりの行きつけ120軒。 (えるまがMOOK ミーツ・リージョナル別冊 東京篇)
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店を出るとすでに昼休みの1時間の半ばを過ぎている。あれこれ書店を回る余裕はないので、東京堂の2店だけをサッと流す。ふくろう店でウエッジ文庫のフェアをやっており、買いそびれていた2冊を買う。面陳で並べられたカバーをあれこれ眺めながら、なんと渋く味のある本を出してくれていたのだろうと今更ながら僅かな期間だけ存在した写楽のような奇跡の文庫に感謝の念を強くする。
ふくろう店を出て、駿河台下の交差点に来た時には午後の授業開始まで10分を切っている。早足で研修所まで戻る。残り時間は5分なし。エレベーターを待つもいっかな下りてくる気配がない。遅刻するわけにはいかないので階段を上る。教室は7階。なんとか授業開始前に滑り込む。静かな室内でひとり呼吸荒く、汗をかいているのが恥ずかしい。
午後の3時間を乗り切り、講義のアンケートを提出して研修終了。アンケートには教室の机間が狭く受講環境が悪いと書いた。講師の先生にとって何の役にも立たない意見だよね、これ。
すでに夕方だ。速やかに書店巡りに入る。
先日、年度末の打ち上げ旅行費用として積み立てておいた3万円が震災の影響で中止となって財布に戻ってきたのでそれをこの街に放流してやろうと気合いを入れて歩く。
三省堂の4階に昇り、『東京かわら版』4月号と『レポ』3号を購入。『東京かわら版』は“寄席演芸年鑑二〇一一年版”との合併号。この1年に出た落語本、CD、DVDがまとめられている。4月16日のTBS「落語研究会」が柳家小三治「野ざらし」であることも教えてくれる。録画しなくては。
東京堂本店ではこれを。
- 築添正生「いまそかりし昔」(りいぶる・とふん)
平塚らいてうの孫であるということ以外知ることのない著者の本だが、扉野良人さんが発行し、林哲夫さんが装幀を担当している本なら迷わず買いである(この本については荻原魚雷さんがブログで書かれていた。それを読んだらやっぱり買ってよかったと納得。)。
その後、あちこちのぞいてから、日本特価書籍で岩波新書の新刊1冊と平凡社ライブラリーの新刊3冊を買って帰宅。
こんなに本を買う金があるなら被災地への寄付金にすればいいだろうと言われそうだが、この3万円は楽しむために積み立てていたものだがら楽しむためにつかうのだ。
数日前に母校の大学から先日行った講義の講師料が振り込まれた。これは職場の仕事の一環として行ったものであるため、大学に出向した3日間の給与は職場から出る。それに後輩たちの授業料から支払われているものであるから、僕が個人的な趣味に使うのはどうも心苦しい。そこで被災地への義援金として全額使わせてもらうことにする。
こんなことを書くと、ある方に「なに甘いこと言ってんだ。義援金なんて大半が役人のポケットに入って、被災者になんかそのまま届かないんだよ」と言われそうだが、僕はそれでもいいと思っている。義援金を出さなければ、当然1円も届きはしないのだから。たとえ半分になったとしても億単位の金が届くのだから。それに誰かのポケットに入った金はそのうち高級外車や高級マンション、それに多くのドンペリとなって消費されるのだろうから経済の活性化に多少なりとも貢献するはずだしね。ただ、それらの金が「小沼丹全集」や講談社文芸文庫になって書店や古本屋に落ちることがないのが残念だけど。