朝マックより夜月9。

 また月曜日の朝が来た。朝マックするわけでもないから、月曜が楽しいという気分にはならない。


 職場でもうまいコーヒーを飲もうと、家から携帯用ミルと昨日買ったコーヒー豆を持って行った。これまでは挽いた豆を買って持って行っていたのだが、密閉容器に入れていても日が経つにつれて明らかに風味が落ちて行く。豆で持って行けばより日持ちもするし、挽き立ての香りが違う。筒状のステンレス製ミルにハンドルを取り付け、給湯室でゴリゴリと豆を挽いている姿は、厚い氷に器具で穴をあけようとしているワカサギ釣りの釣り師のようだな。しかし、挽き立て淹れたてのコーヒーはやはりうまいよ。



 どうにか仕事をやりすごして退勤。


 久しぶりに地元のサブカル系古本屋に行く。店頭のガラスに“文庫本どれでも5冊で1000円”と書かれた紙が貼られている。店内にも同じ紙があちらこちらに見える。これまでこんなセールをこの店ではやっていないはずだ。以前は仕入れた本がびっしり並んでいたレジカウンター後の棚には1冊の本もない。どうやら明記はしていないが閉店準備のための売りつくしに入っているように思われる。また、地元から古本屋が一軒なくなるのかもしれないと考えると寂しくなる。


 講談社文芸文庫ちくま文庫の棚から5冊選ぶ。


 
 帰宅して、TVで「ビブリア古書堂の事件手帖」第2回を観る。平成になって復刊されたえんじ色の小山清「落穂拾ひ・聖アンデルセン」(新潮文庫)が何度も映る。好きな本だからそれだけでも気分はいい。ただ、初回に比べるとドラマの方はちょっと心配なくらい低空飛行だ。それでも、平積みになっているちくま文庫がアップになったり、神保町の古書店があちこち出てきたりと本好きには見所がいろいろある。でもこれだけじゃあ視聴率はとれないよね。


 聞く所によると3月のちくま文庫小山清が入るとのこと。これも「ビブリア」効果だろうか。ちくま文庫で読み返すのが楽しみだ。