京都大阪銭湯編。


 今日は昼飯を食う暇もなく午後に突入し、3時前に職場を出て出張に。


 電車で横浜駅へ向かう。今日から携帯本は広瀬正「ツイス」(集英社文庫)。


 横浜駅からバスに乗る。所要時間30分。iPod立川談志源平盛衰記」を聴きながら行く。まさに才気煥発、前につっかけていくような話しっぷりを楽しむ。


 今日は秋の風が吹いているため、冷房のない大部屋に数十人が犇めき合う会議も汗なく終わる。


 帰りのバスでも「源平盛衰記」の続きを聴く。


 バスを降りて有隣堂へ。おお、ついに出たか。

雑談王?岡崎武志バラエティ・ブック

雑談王?岡崎武志バラエティ・ブック


 先日話していた時に「晶文社からバラエティ・ブックが出たら物書きとしては上がりっていう感じやな」と岡崎さんが感慨を込めて語っていたことを思い出す。横光利一佐野繁次郎丸谷才一和田誠、そして岡崎さんとくれば石丸澄子さんの装丁だ。


 さっそく帰りの電車で読み始める。まずは長いまえがき(買ったCDや観た映画の羅列が楽しい)から読み始め、「高円寺日記」(やっぱり日記は面白い)を経て「小津『麦秋』デッサン」(家族が一堂に会することを避けながら朝の食卓に入れ替わり登場させ人物の紹介をする小津のテクニックを絵コンテ入りで解説)に至る。


 帰宅後、武藤良子「大阪京都死闘編 武藤良子関西旅行記」(わめぞ文庫001)を腰を据えて読む。あの塩山芳明さんも称賛するすばらしい文章を堪能する。よく歩き、よく食べ、よく飲み、よく浸かる武藤さんの姿を楽しんだ。


 やはり、銭湯好きの武藤さんらしく京大阪の銭湯がいろいろと紹介されている。1日3軒も銭湯をはしごするなんて並大抵ではないよ。湯疲れもするし。その姿は死闘編というより銭湯編と呼びたいな。


 わめぞ文庫は、武藤良子という山下清以来の文章も書ける旅する画家を生み出した文庫として名を残すのじゃないかな。