浴場のミュートプレイ。


 数日振りに朝の仕事がゆっくりとしたリズムで始まった。


 昼に桃と杏の烏龍茶をいれる。いつもティーサーバーを置いている棚の前を通る人の足が止まりがち。香りが強いのだ。


 帰宅して「鞍馬天狗」を観る。今日は“山嶽党奇談”の前編。前回から脚本家が代わり、テンポがよくなった。光と闇のコントラストを意識した画面づくりも悪くない。豪商・三島屋清左衛門役で石黒賢登場。緒形直人杉本哲太石原良純石黒賢と並ぶこの同質のテイスト感が何とも言えない。よくぞ集めました。このラインのためにいっそう異形の人・野村萬斎が浮かび上がってくるのだろうな。


 帰りにコンビニで買った『ダヴィンチ』3月号を手に取る。この雑誌を買うのは久しぶり。特に意味はなく雑誌棚で目が合ってしまったという感じ。
 「出版ニュースCLIP」欄で講談社文芸文庫の創刊20周年記念復刊のラインナップが載っていた。2月は倉橋由美子「スミヤキストQの冒険」と西脇順三郎「Ambravalia・旅人かへらず」。3月は辰野隆「忘れ得ぬ人々」と金子光晴「風流尸解記」が予定されている。その後のものを見ると思ったよりマニアックなものは少ない。他の文庫でも読める永井荷風「あめりか物語」って必要だろうか。とりあえずチェックしたのは石川淳「江戸文学掌記」、中村光夫二葉亭四迷伝」、花田清輝鳥獣戯画・小説平家」くらいか。もっと渋めの復刊をお願いしますよ、講談社さん。

 『ダヴィンチ』の別冊付録「コミックエッセイ劇場」から伊藤理佐「りさ’ずばー」とグレゴリ青山「もっさい中学生」を読む。さすがお2人とも結構なお手前で楽しませていただきました。久しぶりに買ってよかった。


 風呂でマイルス・デイビス「クッキン」を聴く。昨日の「チェット・ベイカー・シングス」から「マイ・ファニー・バレンタイン」繋がりで。1曲目の「マイ・ファニー・バレンタイン」は今更言うことなし。マイルスのミュートプレイにやられる。