消えた「東京少年」。

職場で昨年の暮れに貸していた2000円が返ってくる。忘れていたのでうれしい。
本屋で南陀楼綾繁さんの書評が載った『週刊読書人』を買う。探していた『散歩の達人MOOK 東京がわかる300冊!』は見当たらず。
日高屋で夕食を食べながら、南陀楼さんが書いた坪内祐三「極私的東京名所案内」評を読む。《教文館》、《紅葉館》という単語にふわぁっと心が広がっていく。この間読んだばかりなのだが、またあの愛らしい小体な本を再読したくなった。
コンビニで『週刊文春』を買って帰宅。小林信彦氏「本音を申せば」は年末年始のテレビを語っている。衛星放送でやったという稲垣浩監督「ふんどし医者」(1960年)の面白さをほめ、原節子の多彩さと森繁久彌の凄さを強調し、特に森繁にとってこの作品は《間違いなく、彼の代表作の1本である》とまで言い切っている。観たいな。
その他では、NHKの「クライマーズ・ハイ」とフジテレビの「逃亡者・木島丈一郎」を評価しており、特に後者はちょっと意外。ともに未見なので、再放送があればチェックしよう。
また、小林氏自身の文庫が書店から見事に消えていると何人かから指摘されたということに触れ、最新作「東京少年」さえもない有様だという。確かに、最近アマゾンとbk1の両方で「東京少年」を検索したら、ともに“現在お取り扱いできません”となっていて驚いた。小林氏が出版社に確認したところ現在増刷中で、近々書店に出回るそうだ。
しかし、氏のような多くのファンを持ち、評価もされている作家の数ヶ月前の作品さえ、普通の本屋の棚から買うことができないようでは、本もダイソーユニクロの売り切り商品と同じではないか。今に新刊書店に売っているのはここ1、2ヶ月に出た本だけということになるのかも知れない。やれやれ。
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